2012年9月19日水曜日

孫社長、ヤッタネ。来年から「テザリング」対応へ


本日15時に「テザリングへの対応」が発表されました。申し込みの受付期間は9月21日〜12月31日。提供開始日2013年1月15日。ギリ発売開始に間に合ったので、auで予約したものの振り出しに戻った方もいらっしゃるかと思います。
毎月のデータ量が7GBを超えた場合に請求月末まで通信速度が送受信最大128kbpsに制限され、別途申し込みにより制限無く使用できるとのこと(2GB毎に2,625円)。auと横並びの条件となっていますが、購入時にスマホ下取りキャンペーンを利用することで、さらにお得にiPhone 5に機種変することが可能です。対象機種はiPhone 3G〜iPhone 4Sまで、X06HTや001DLも対象となっているのが嬉しい〜。
こうなると、つながりやすさと各種キャンペーンが選択の基準になってきました。実は、LTEの基地局はソフトバンクの方がリードしているという話もあります。まあ、田舎はともかくとして…orz

■スマホ下取りプログラム
http://mb.softbank.jp/mb/campaign/trade_in/
■お得なプログラム/キャンペーンについて
http://i.mb.softbank.jp/mb/iphone/reserved/campaign/


ソフトバンクもテザリング「検討しましょう」???

出ましたー!! 孫 正義氏の「やりましょう」ならぬ「検討しましょう」。


テザリングに期待しつつ、待ちましょう。
でも、必要ない人にとっては、かえって迷惑という説も?!

2012年9月17日月曜日

auはiPhone5のLTE切断モードの料金を設定すればいいのに


ソフトバンクもauもiPhone 5の利用料金、やけに高いと感じませんか?

乗り換えにかかる費用と月々の料金は、ASCII.jpさんの「【決定版】iPhone 5は機種変、MNP、結局どれが得なの?」がすっごく参考になります。

LTE通信対応のパケット定額は割引があるにしろ月5,460円はかかり、実質値上げとなっています。まあ、これがLTEの対応が早そうな都心ならともかく、後回しにされるのが必至の田舎では到底納得できる料金ではありません。

仮にLTEで接続できるとしても、そんなに速くなくてもいいから安くしてくれという要望は少なからずあるはずで、実際Twitterでも仕方なくiPhone 4Sを使い続けるとかiPod Touchで我慢する、と言った声がちらほらと聞こえてきます。

ところがどっこい、すまほん!!の記事を読むと、iPhone5のLTEはスイッチで「切断可能」だというじゃありませんか?!



だったらいっそのこと、LTEを切断して運用するモードを作ればいいと思うんですが、通信業者はこのスイッチがON/OFFなのか把握できないんでしょうね。

なんか、超ガッカリです… (´・ω・`)ショボーン

auかソフトバンクかお悩みのあなたには、CNETブログの「iPhone 5のauの通信速度7GB制限のパケット換算方法、及び、ソフトバンクの通信エリア確認方法」が参考になるかも!



ASCII.jp 2012/09/15
【決定版】iPhone 5は機種変、MNP、結局どれが得なの?

すまほん!! 2012/09/14
iPhone5のLTE「切断可能」 3G運用でバッテリーを節約可能であることが明らかに






2012年7月31日火曜日

ソフバン解約の罠


7月28日、SoftBankショップにiPadの回線を解約しに行ったのですが、驚愕の事実が発覚しました。なんと更新月は「5月、6月」だったんです。5月にiPadの購入先であるケーズデンキ内のショップで確認してもらったときは「7月」と言われたのに。

係の方は「もう更新月は過ぎてます」と繰り返すばかり。
しかし、ここですぐに引き下がっては負け。事情を説明してメモを見せ「納得できません」とひるまず交渉しました。

粘った甲斐があり、カスタマー本部に「更新月の案内ミスです…」と連絡してもらえました。本部の判断は、一旦解約料金を引き落とした後に、来月以降のiPhoneの回線料から差し引くというもの。それで構わないですかと訊かれましたが、もちろん何の不満もありません。

ケーズデンキ内のソフバンショップで解約について尋ねたとき、担当の方はiPadの操作に慣れてないようで、電話番号すら調べられませんでした。iPadだし電話かけるわけでもないので実は私も知らなかったのだけど、「設定」で調べて伝えることくらいはできました。

どういう確認の仕方なのか分かりませんが、「5月に契約なので2ヵ月後の7月末までです」と説明を受けた次第です。いずこかに電話してごく基本的なことは聞いてましたが、端末から番号を検索してるふうではなかったですね。単なる担当者の思い込みだったような気がします。

何度も「7月末までですね」と念を押したのに、このザマですからねぇ。
やはり、販売のみでもろもろの手続きができないショップは弱いです。解約手続きができないことはそのとき初めて知ったので、仕方ない面もありますが。

何にせよ、先方のミスはきちんと指摘し、きっちり対処してもらうこと。これに尽きます。その際、物的証拠があれば万全です。今回の件では、メモ書きを見せながら話したのがよかったようです。

何より、ソフトバンクモバイル カスタマーケアセンターの客への対応は潔かったです。

一人の客の不満は、多くの客の不満へとつながっています。
IT企業のソフトバンクですら熟知してることなのに、楽天は何故そんな客商売のキホンが分からないのでしょうか。koboの初期不良でのユーザに対する三木谷社長の上から目線的な物言いを見るにつけ、なおのことそう思います。
結果がすべて、結果しか見えてないというのは経営者としてはアリかもしれませんが、客の前に出てくるなと言いたいです。この調子じゃ、結果も予想と違うものになる可能性大ですが。

閑話休題。
万が一にも手続きのミスがあるとガッカリですので、解約の手続書に一筆書いて頂きました。
「解約料¥9,975 8月分から料金調整 ※カスタマーケアセンター承認」
今回の件こそ単なる口約束に過ぎませんし、口約束ほど当てにならないことはないですからね。

SoftBankショップの店員さん、その節はお世話になりました。
きめ細やかなご配慮に感謝しています。ありがとうございました。

(なんだかクレーマーブログみたくなった感がありますが、そんなことないですw)


■東洋経済 2012/07/27


2012年6月23日土曜日

hontoで本を注文するときに気をつけるべきこと


hontoから本が届きました。注文6日後なので、あまり待たされずに済みました。まあ、そこは出版社の事情ですけどね。

梱包は以前と同じクオリティで満足です。
冊数が多い場合、何冊かずつビニール袋で包み、しっかりした段ボールに緩衝材の紙でくるんで詰める形で送られてきます。

ただ、今後も使い続けるつもりなら、買い方にだけは気をつけましょう。

「一括発送」にすると、予約を含め、注文した商品がすべて揃うまで待たされます。旧bk1では、デフォルトで「24時間」と「1-3日」が先に発送となり、7日以降の商品は別発送になっていました。

また、システムの作りが甘いのか、注文時と確定時の発送可能日が変わることがあるようです。
「24時間」や「1-3日」のつもりで注文したにもかかわらず、「ご注文完了のお知らせ」メールで「7-21日」になってしまう事例が報告されています。
私自身もメールが届いてから「あれっ?」となったクチなので、「欲しい本」から「買い物カゴ」へ入れて注文し、注文完了メールが届くまでのいずれかのタイミングで、1冊の書籍の発送日が「7-21日」に変わっていました。
これでは、いつ届いてもいいやって本以外は「一括発送」を選択できません。

ですので、買い方はおのずと決まってきます。

  • 発送がいつでも構わない本は「一括発送」を選択する。
  • それ以外は「個別出荷」を選択するか、または、「一括発送」とし「注文完了メール」で日付が変わっていたら「キャンセル」する。
  • ただし、この場合の「キャンセル」は「お客様都合」となるため、ポイントが減額されたり、金額が満たなくなるとキャンペーンの対象から外されたりする。

いずれ、もう少しマシなサービスに変わっていくであろうと期待しています。
なまあたたか〜い目で見守るしかないか……。


■関連エントリ

2012/06/22
ハイブリッド書店『honto』のシステム&サービスがどちらもホントにひどい件
http://kirifue.blogspot.jp/2012/06/honto.html

2012/06/16
「bk1」と統合した「honto」のサポートに要望出したよ
http://kirifue.blogspot.jp/2012/06/bk1honto_16.html

2012年6月22日金曜日

ハイブリッド書店『honto』のシステム&サービスがどちらもホントにひどい件


前回のブログで「文面がやや上から目線過ぎたかと、反省しているところです」と殊勝なことを書きましたが、今度はさらに上から目線にならざるを得ません。相手はもちろん前回と同じ、bk1を統合した『honto』サイト。

13冊の書籍を注文したのでした。
「24時間」と「1〜3日」の本を選んで「買い物カゴ」へ。「欲しい本」にストックされてる本は、なんと1冊ずつ「買い物カゴへ入れる」を押さないといけないのです。そのあまりの使い勝手の悪さに辟易して、サポートに要望を出したのでした。
……ってのが、前回までの話。

翌日、7-21日手配についてのメールが届きました。
「あれっ、7日になったのかな?」と思いましたが、「まあ、24時間と3日までのは先に来るから問題ないや」と軽く受け流してしまいました。

ですが、3日待っても4日待っても、hontoからはなしのつぶて。
「はっ。これって、もしかして…」
「ご注文・ご購入履歴」を調べたところ、「一括発送」を選択していたため、本当に全部の本が揃うまで発送を待っているようです。
「マジか。bk1ではデフォで7日以上のは別発送だったのに!」
またまた、システムの改悪です。旧bk1のユーザは勘違いして当然でしょう。

新刊をせっかく楽しみにしてたのに最悪3週間待ちとか、ガッカリ過ぎます(「ちはやふる」とか)。でまたまた、サポート窓口からお願いすることにしました。
以下がその文面です。
書籍の注文について、お願いがございます。
bk1では発送に7日以上かかる商品は、即日や1-3日までの商品とは別発送になっていたと記憶しています。
bk1と同じつもりで「一括発送」を選択してしまいましたが、hontoでは本当に全部揃わないと発送されないことに3日経ってやっと気づきました。しかも、7-21日の商品は品切れの可能性があるとの連絡を頂いております。
出来る限りまとめた方がエコだと思ったのが、見事に裏目に出てしまいました。
送料も無料期間ということなので、入荷した商品を先に発送して頂くことはできないでしょうか?

それに対するhontoの回答は、転載できないので要約すると以下のような内容でした。

  • bk1は指定しなくても別発送だったが、hontoは発送方法を指定できる。
  • 発送方法の変更はできない。
  • 注文は未入荷の本のみキャンセルするか、全部をキャンセルして再注文が可能。
  • ただし客の都合のキャンセルなので、期間限定キャンペーンは対象外となり、ポイントも条件を満たさなくなれば対象外になる。

は? なんなのこれ?
あまりに納得がいかないので、hontoの評判を調べてみたら、さらに驚くべき事実が明るみになりました。
「注文確定時と注文完了メールの出荷可能日時が違う」って事例が多々あるとのこと。今となっては証明できないけど、自分もその可能性大です。さすがに「7-21日」発送には気をつけますから。

で、「客の都合」ときたもんだ。

システムがクソなのは、よおく分かりました。であればなおさら、システムの不備をサービスで補わないと。
上層部は客商売のキホンをご存じないのでしょうか。ギフト券配るだけがサービスじゃないんですよ。
読書家ならずとも、書籍の発送日時がどんなに重要な意味を持つか分かりそうなものを。まさに「発送日時」こそが差別化のポイントなのに!

あまりに頭に血が上ったのでTwitterで罵詈雑言を浴びせまくりましたが、一夜明けてやや冷静さを取り戻したところです(大人げなかったです)。

とっととやめちまうという選択肢もありますが、bk1でコツコツ貯めた27500ポイントが残ってます。
こうなったらポイント使い切るまで、しばし様子を見るしかないかと考え直しました。まだサービス始まったばかりですしね。これで改善されないようなら、本当におさらばです。
今後も利用を継続される方は、注文時の画面コピーを取っておくことをオススメします。

お得な上に、客のことをよく考えてくれてたbk1が懐かしい〜。


■関連エントリ

2012/06/23
hontoで本を注文するときに気をつけるべきこと
http://kirifue.blogspot.jp/2012/06/honto_23.html

2012/06/16
「bk1」と統合した「honto」のサポートに要望出したよ
http://kirifue.blogspot.jp/2012/06/bk1honto_16.html


■参考サイト

2012/05/19
さよならbk1、hontoにそれでよかったの?
http://togetter.com/li/306127

2012/05/24
ハイブリッド書店honto 4冊目【旧・bk1】
http://aa-web2ch.org/ag/toro/books/1337854214/1-


2012年6月16日土曜日

「bk1」と統合した「honto」のサポートに要望出したよ

「オンライン書店ビーケーワン」が「honto」とサービスを統合し、ハイブリッド書店サービスとして生まれ変わりました。電子書籍ストアが併設され、丸善、ジュンク堂、文教堂といったリアル店舗でもポイントが付くらしいです。

bk1の購入履歴はそのまま移行されましたが、さらに「マイページ」の「マイ本棚」にも保存されています。今まで購入した1051冊もの本の表紙が並んでたのにはビックリ(複数ページに渡ってですけど)。そんなに買ってたんだ!

honto
http://honto.jp/

早速、hontoで書籍を13冊購入してみました。

bk1の「あとで買う本」は 「欲しい本」に移行されてるんですが、これがイマイチなんですよ。
これからも使い続ける気なので、マジ改善してくれないと困るんです。 なので、サポート窓口のフォームから要望を送りました。

以下がその文面。

hontoとbk1の統合リニューアル、おめでとうございます!
私はbk1から移行してきた者です。
マイページにある「欲しい本」の仕様について、要望がごさいます。

bk1の「あとで買う本」では複数冊を選択して「買い物カゴ」に移動することができましたが、「欲しい本」ではそれができません。これでは、Amazonの「カートに保存した商品」のイマイチな仕様と同じですが、Amazonでは「ショッピングカート」とは画面遷移が発生しない(ページにまたがる場合は別)のでまだマシと言えます。
また、「欲しい本」で[買い物カゴに入れる]をクリックしても、「買い物カゴ」に移動するわけではなく追加されるだけです。
「欲しい本」は購入する前のストック場所としては全く機能していない、と言い切ってもよいレベルだと思います。

そもそも「欲しい本」は「買い物カゴ」に連動したいのか、「マイ本棚」に連動したいのか、役割がはっきりしていません。どちらも実現したいのでしたら、徹底的に細部にこだわって機能を設計しなおし、ユーザの満足のいくようなインタフェースを実装してください。
また他サービスと比較して恐縮ですが、少なくともAmazonでは「カートに保存した商品」と「ほしい物リスト」は別々のシステムで、役割が分けられています。

長々と書きましたが、とりあえず「欲しい本」に望む最低限の機能は以下の2点です。

1. 複数冊をチェックできるようにし、[まとめて買い物カゴに入れる]ボタンを設置する。
2. [買い物カゴに入れる][まとめて買い物カゴに入れる]ボタンをクリックしたときに移動できるようにするか、追加したことを示す印などを付けてユーザ自身が分かるようにする。

ご検討のほど、よろしくお願い致します。

「honto」は紙の書籍やCD、DVDから電子書籍まで、幅広いコンテンツを取り揃えていて、しかもリアル書店とも連携しているなんて、hontoに素晴らしいネットサービスだと思います (^_^)
これからも応援していきますので、がんばってください。

かなりウザい客だと思われるでしょうが、 仕方ないです。
 少なくとも、「欲しい本」から「買い物カゴ」への複数冊の一括移動、に対応してくれると嬉しいんですけど…。


2012/06/17 16:00 追記
hontoお客様センターから返答来ました。
転載できないので要約すると「今後の参考にします」ということでした。もちろん、要望があったからといっていちいち即座に対応するわけないので、これで満足です。
要望や苦情を直接伝える機会はそうそうないのですが、やはり気に入っているサービスはより良くなって皆に使ってほしいですからね。

にしても、文面がやや上から目線過ぎたかと、反省しているところです。


■関連エントリ

2012/06/23
hontoで本を注文するときに気をつけるべきこと
http://kirifue.blogspot.jp/2012/06/honto_23.html

2012/06/22
ハイブリッド書店『honto』のシステム&サービスがどちらもホントにひどい件
http://kirifue.blogspot.jp/2012/06/honto.html


2012年5月21日月曜日

『貞子3D』レビュー。貞子って一体何者だよ!

 『貞子3D』観てきました~。もちろん一人で。

でも、せっかく気分を盛り上げようと単独潜入したのに、隣の学生ら(厨房か高校生)が小声でおしゃべりしてて、ちょっと興ざめでした。
まあ、シリアスなホラーではなかったのがせめてもの救いかも。

予告編を観て、ある程度予想はしていたのだけど、そのはるか斜め上を行く展開にビックリ。
完全にゾンビ映画になってましたよ。てか、モンスターパニックものと言ってもいいくらい。
もう、貞子ってば、一体何なんだよ~。

先週の日曜には、ニコ生のタイムシフト予約で「『リング』シリーズ一挙放送 &『貞子の部屋』」を観たばかり。
一作目は別格として、仲間由紀恵主演の『リング0 バースディ』がとても心に残りました。仲間由紀恵演じる貞子の純粋無垢な姿ときたら。こんな貞子なら惚れてしまいそう。

リングシリーズ映画版は以下の通り。

・リング
・らせん
・リング2
・リング0 バースデイ
・貞子3D

年代順にすると『リング0 バースデイ』『リング』『リング2』『貞子3D』と続きます。
『らせん』は原作小説『リング』の続編として鈴木光司氏が執筆したストーリーで、もはやSFの境地に達した作品となってます。その続編の『ループ』はもう完全なSFモノで、鈴木光司氏は映画化しないと公言されてます。「今更、ホラーを要求されてもねー」といった感じでしょう。
そのパラレルワールドである『リング2』は、オリジナル・ストーリーの続編映画。これは『リング』のホラー路線を引き継いでます。

静と動、陰と陽とを織り交ぜた「貞子シリーズ」だけに、この『貞子3D』もまたアリかと思えてきます。
少なくともこのノリなら、シドの主題歌『S』で間違いでなかったと断言できますね。

あと、この映画の本当の価値は3Dにある(つか、そこしかない)ので、少しでも興味があるなら劇場に足を運ぶべし。
全くもって心臓に悪いです。

もちろん、貞子ちゃんはメッチャ可愛いかったよ。
ちなみに、貞子3DのTwitterアカウントは、@sadako3d。
貞子ちゃんはみんなの人気者なのだ。


■『貞子3D』公式サイト
http://www.sadako3d.jp/index.html



2012年5月5日土曜日

東日本大震災を経た『富士覚醒(昼は雲の柱)』

石黒 耀 作『富士覚醒』を読みました。
2006年11月に刊行された『昼は雲の柱』を改題して文庫化したもので、東日本大震災を経て、加筆修正が行われています。石黒氏は「著者あとがき」で、東北地方・太平洋沖地震は少なくとも一部の自然科学者の間では想定内であり、福島第一原発事故は素人にも想定できるレベルの原発事故だと言及されています。自然災害を人災とせず、被害を最小限に食い止めるにはどうすべきかというシミュレーション小説としても本書は書かれているのです。

一方、登場人物もなかなか魅力的です。真面目で優しい大学教授(例えるなら、出来杉君?!)とその一人娘、がさつだけど一本気な地元実業家(例えるなら、ジャイアン?!)とその一人息子を中心にストーリーは進みます。子供達は同じ高校に入学したばかりで、ほのかな恋愛感情が芽生えてすったもんだするところなぞ「ラノベかよ!」とツッコミたくなりますが、殺伐としがちなクライシスパニックものと一線を画しているのは、登場人物の背景と感情が丁寧に描かれているところでしょう。


南洋系火山神と大陸系火山神

富士山噴火をメインとしたクライシスものではありますが、神話や古代史の謎解きが同時進行するため、歴史好きな方にもオススメしたいです。最後には謎が一つの解へと導かれるのが痛快でもあります(と言っても、あくまで物語上ですが。また、さらなる秘密は続編へと引き継がれます)。逆に、物語の前半部はこのような話が延々と続くので冗長になり、興味のない人にはやや退屈かもしれません。

中でも興味深かったのは、古代神話に出てくる火山神についての説ですね。
火山神はその成り立ちと歴史から、南洋系火山神と大陸系火山神に分類できるというのです。

●南洋系火山神

「山体=御神体」で出歩いたりせず、麓の民を育む。

●大陸系火山神(北方系火山神)

擬人化されており、自由に移動して人と語り合ったり、民族を率いたりできる。
作中では、以下のような神と山が挙げられてます。

  • ギリシャ神話や北欧神話の主要神:ギリシャや北欧の山々
  • ユダヤ教・イスラム教・キリスト教のヤハウェ(エル・シャダイ):神の山ホレブ(アララト山)
  • コノハナサクヤヒメ(鎮火神):富士山(新富士)
  • ニニギノミコト:阿蘇山、高千穂山峡

アララト山と言えば、2010年に「ノアの方舟」が発見されており、年代測定によって今から4800年前のものであると証明されています。これが本物のノアの方舟かどうかはともかく、山岳信仰の表れであるということは言えるのではないでしょうか。

AFP BBNews 2010/04/29
「ノアの方舟」確率99.9%で発見と探検チーム、トルコ・アララト山頂


人々の生活の場であった火山

では何故、火山が神とあがめられたのでしょうか。その答もこの小説にありました。
火山学者である山野承一郎教授は、高校生の富成亮輔に次のように語ります。

風化した火山灰はミネラルに富み、豊かな植生を育てる。山体は乾期も絶えることのない清冽な水を生む。

なんと、富士山の湧水量は1日500万トンで黒四ダムの30倍、しかも生命維持に必要な微量元素を含み、水道水のようにトリハロメタンやアルミが検出されることもないのです。

山野教授は続けます。

水、食料、火、石器の原料といった人類の原始生活に必要な全ての物を供給してくれていた。原始人類はそのことを身体で理解していたので、噴火災害に遭っても、じきに火山の麓に戻ってきた。そして、火山に感謝し、畏れを抱き、神格を与えた。これが火山神だ。

これは、海の神にも言えることではないでしょうか。海は豊かな恵みを与えてくれるけれども、ときに高波や津波が町や村を襲うこともあります。東日本大震災で被災された漁師の方達が、津波で船が流されても、原発の影響で海産物の売れ行きが落ちても、また同じ海で暮らしを立てていきたいと願うことからも分かるような気がします。

どのように自然とつき合っていけばいいのか、そのヒントを見つけることができるかもしれません。

●神の山の例

  • バリ島のキンタマーニ
  • アフリカのオルドイニョ・レンガイ
  • ジャワのメラピ山
  • 朝鮮の白頭山
  • ハワイのキラウェア
  • 北海道のカムイ・ヌプリ
  • 長野の皆神山
  • 鳥取の大神山(大山)
  • 箱根の神山
  • 富士山

防災のキホンとは

この話には御用学者や金権政治家、利権を貪る業者が出てきますが、大災害発生の裏で巧妙に画策する様子を見るにつけ、東日本大震災でも原発事故も絡んで同じようなことが行われていたのではないかと不信感がつのります。いえ、まだ継続中と言った方がいいかも。人々の安全や生活よりも己の欲望や利益を優先するような輩によって。

「住民の不安を無用に煽るな」という一部の防災関係者や行政サイドに対し、山野教授は「事実は事実。すべての危険を予測できるほど、我々は地球の仕組みを理解していない」「無用に安全を強調するのは、最悪のケースを考えろという防災の基本に反する」という信念に従って行動します。

実はこの本、静岡大学防災総合センター教授の小山真人氏の推薦を受けています。是非、巻末にある小山教授の解説までくまなく目を通してください。教授は解説の最後をこう締めくくっておられます。

しかし、そのような想定外の大規模災害が現実となっても、火山学者、行政担当者、ジャーナリスト、市民の理想的な協力関係によって犠牲を最小限に抑えられる可能性が、本書の中で示されている。このような理想と現実世界の間の隔たりはまだまだ大きいが、本書に描かれた防災対応は、富士山の火山防災に携わる専門家にとって希望の灯であり、また今後目指すべき目標でもあるのだ。

本書の後半部ではいよいよ富士山の噴火が始まります。科学的な理論と検証を元にした壮大ながらも緻密な構成と展開は、さすがは石黒耀氏。読んだときの楽しさを奪ってしまうことになりかねないので、詳しい噴火の様子はここには書きません。是非、皆さん自身で確かめてください。

二部作の予定ですが、物語としては一応完結しています。
二人の恋の行方、富士噴火後の再建など、気になることがたくさんあって、次回作が待ち遠しいです。


2012年4月29日日曜日

CNETに「livedoorブログ無料版からBloggerへの引越しレビュー」を書いたよ

前回、「詳しい方法は次回のブログに書く予定です。乞うご期待!」と豪語しておきながら、しばし放置していてスミマセン。実は、自家製日付変換ツールをPUKIWIKIに置いてもらっていたのです。

しばらく待っていた甲斐があり、Bloggerへの引越しを考えている方にツールを使って頂くことができるようになりました。

ただし、Perlが必須なのでちょっと敷居は高いかも。一応、ActivePerlとDateTimeモジュールのインストールの仕方もまとめてあります。

移行方法の詳細は、以下のCNETブログにてご確認ください。

【レビュー】livedoorブログ無料版からBloggerへ引越しできた!

ご利用は自己責任でお願いします。 

2012年3月31日土曜日

livedoorブログ無料版からBloggerに引っ越し完了!

はじめまして、霧笛 望 と申します。
livedoorブログ無料版から引越してきました!

livedoorブログは機能こそあまり不満は無いものの、運営母体がコロコロと変わり、行く末が不安でした。また、もっとシンプルなブログを作り上げていきたいなという気持ちもあって、Bloggerへの移転を決めました。

しかし、引越そうにも無料版にはエクスポート機能がありません。有料版に加入してエクスポート機能を利用したとしても、画像はエクスポートできないとのことでした。まったくもって不便極まりません。

そんな折、CNETのブロガー仲間から「カンタン!ブログお引越しサービス」の話を伺いました。ちょうどよい機会でしたので、サービス開始と同時にlivedoorからの引越しをお手伝い頂きました。
と言っても、実際にはWebサイトから必要事項を入力して申し込むだけ。これだけの手間で、コンバートしたデータを手に入れることができたのです。
しかも、画像はGoogleのPicasaに保存されるため、どのブログであれ画像の所在を気にしなくてよく、もちろんリンクの貼り直しも必要ありません。ブログの容量を圧迫しないのも魅力です。

カンタン!ブログお引越しサービス
https://blog-switching.com/

ぶっちゃけ有料ですが、それだけの価値はありました。

Bloggerへインポートするには、Movable Type形式のコンバートデータからさらにxml形式に変換する必要がありますが、これはBloggerの仕様なのでしょうがないですね。
Movable Type形式のデータをインポートできるブログは多いので、そういったブログに引越すという選択肢もアリです。

詳しい方法は次回のブログに書く予定です。乞うご期待!
→ つづきを書きました(2012/04/29)。

会社の倒産などもあって、ちょうど骨折した辺りから心折れてたんですけど、引越しを契機にまたブログ頑張りたいと思ってます。
今後ともよろしくお願いします!

CNET Japanでもブログを書いてます。こちらも再開予定です。

霧笛望のはぐはぐ電脳小物
http://japan.cnet.com/blog/kirifue/