2008年5月14日水曜日

『実録・大阪やくざ戦争 報復』

800f8860.jpg実録・大阪やくざ戦争 報復(かえし)』とその『完結編』を観ました。

この映画には「三代目三王会」と「梅山組」が登場しますが、これは「三代目山口組」と「二代目松田組」を表し、その間で実際に起きた抗争事件、俗に言う「大阪戦争」を描いています。


それにしても、「三代目山口組」を頂点としたヤクザ組織のピラミッド構造ってすごい。組の下に組があって、その下にまた組があるんです(実際には、組の上に組があって統治しているんですけど)。ヤクザ社会に詳しくない方は、その辺りも注目して観ると面白いです。


主役の法力朱雀(モデルは盛力会の平川一茂)を、我らがシミケンこと清水健太郎が演じています。私は『雀鬼』の渋いシミケンが好きですが、こちらのシミケンの迫力もまた捨てがたい。ただ、ちょっと凄味あり過ぎかも。

(ちなみに『雀鬼 DVD-BOX』と『DVD-BOX2』を購入しました。この散財のせいで、今月のメディア代はすでに十万円に達する勢いです。あ、これは自分の分だけなので娘や息子の浪費分も算入すると…汗。詳しくは『霧笛望の本棚+メディア保管庫』へ)。


テーマとしては、ヤクザの生き様を問うているんでしょう。

「シノギ」がうまけりゃそれでいいのか、ちゅうことですね。それじゃ、サラリーマンや起業家とあまり変わらない。売られた喧嘩は買わなきゃ男がすたる、わけです。

組織内の幹部らの及び腰の態度に業を煮やした谷岡健三(モデルは山健組の山本健一)は、ついに徹底した報復攻撃に打って出ます。谷岡を演ずる山本昌平はヤクザの大親分の風格があり、見応え十分。竜造寺誠道(モデルは田岡一雄)役の梅宮辰夫以上かも。


さて、そうした行為がいいか悪いかという倫理面は置いといて(ここを見誤ると「道」を踏み外すので注意)、学ぶべきはその生きる姿勢。次の法力朱雀の言葉に、この映画の精神が凝縮されています。


 何をして生きようと

   問題ではない

 人生何に向って

   何の為に

 自分の道を歩むかが

   問題である



ま、そういった難しいことを一切考えなくとも、「ヤクザもの」好きなら文句なく楽しめます。「Vシネ」って、結構良質な和製エンターテインメントなんじゃないかな!?

6 件のコメント:

  1. オレンジネオ2008年5月14日 22:18

    kirifueさん こんばんわ

     守備範囲広いですね。大阪やくざ戦争まで行かれるとは。
    最近の子供じみた、ハリウッドCG映画は辟易としているので、日本映画の方が良いと思います。
    3週間くらい前にBSで伊丹十三のマルサの女シリーズを放映していました。昭和バブルの時代ですが、インターネットと携帯電話が増えたくらいで欲望に対する人間の本質は変わらないように思えます。映画もCGばかりではでになっていますが、人間の本質は実体験に基づく慧眼でないとほりおこせないのですね。
     組織のなかでの生き方や、縛りはいつも変わらないように思えるところに進歩が見えないのがつらい。少しは進歩(進化)して欲しい。

     映画「グランブルー」のモデルのジャクマイヨールに伊豆急行線で会ったことがあります、自殺する少し前で60後半だったと思います。そのときオーラのような物一瞬見えた気がしました。人生の残り火を見のでしょうか。

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  2. オレンジネオさん、こんばんは。
    すみません、「博打」や「極道」のような裏社会ものが好きなんです。
    でも「子供じみた、ハリウッドCG映画」も私は結構楽しめたりします。まあ、観るべきところがまた違うのですが。
    こーいうのは、深く考えるとダメなんですよ。

    > 人間の本質は実体験に基づく慧眼でないとほりおこせないのですね。
    それはそうかもしれません。体験者の言葉は、限りなく重いですから。

    ジャック・マイヨール氏にお会いできたとは、それもまた、素晴らしい体験でしたね。
    私は夫が三宅島出身なので、その昔ジャック・モイヤー博士をよくお見かけしました。博士が自殺されたときは、かなりショックでした。
    モイヤー博士はジャック・マイヨール氏が亡くなられたとき「いけないことだね」とおっしゃっていたらしいのに。
    「自然」を奪われるのは「命」を奪われるのに等しかったのかもしれません(私の勝手な想像です)。

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  3. オレンジネオ2008年5月15日 5:48

    kirifueさん こんにちわ

    子供じみたハリウッド映画でも、エンターテイメントして十分に考えられて製作されているので、楽しめちゃいますよね。でも最近のランボーとか、シリーズ物が多いのは少し幻滅です(あんまり老人にむりさせないで)。ミッションインポシブルもセカンド以降などはちょっと辛い。
    シリーズ物と言えば、昔は寅さん、水戸黄門、東山の金さんとおちょこちょいでお人好しな人物や、ワンパターンでお約束の勧善懲悪シリーズが多かったですね。視聴率(社会がそう言う娯楽を求めていたから製作者も作った)も良かったし。
    殺伐とした事件が多いなか、娯楽にはお手軽な面が増えてもいいのかと思います。
    釣りバカ日誌シリーズはワンパターンでくだらないのですが愛嬌があります。ハマちゃんみたいに潤滑油のように(トラブルメーカだが)行動できる人が減っているし、評価されないのが現代のひずみなのかもしれません。

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  4. 高校から大学にかけて、時代劇にハマってました。ワンパターンだけど安心して観られるところがいいです。日本中のじいちゃん・ばあちゃんにも人気ですしね。

    映画のシリーズものはなかなか初回を超えられないというか、終盤盛り上がれればすごいんでしょうけど。
    ロッキーやランボーなんてずっと観てないですが、最後に花を飾れたんでしょうか?!
    インディジョーンズは観に行きます。アクションはともかく、役者として老いて初めて至れる境地というのがあるかな、なんて期待してるんですけど。

    ハマちゃんは三枚目キャラですが、世のサラリーマンの憧れなんじゃないでしょうか。好き勝手にやってるけど、実は「できる」みたいな。それでいて、決して認められないんですよね。

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  5. オレンジネオ2008年5月16日 6:15

    kirifueさん こんにちわ

    ハリソン・フォードは刑事ジョンブックや、ブレードランナーの一寸疲れて悩んでいる役が好きですね。渋いし。それでもインディ・ジョーンズはあたり役です。ジョーンズ教授もそろそろ落ち着くのでしょうか。
    ショーンコネリーは、007が有名ですが、アンタチャブル以降渋い脇役として真価を発揮しています。ジョーンズ教授も父の方向で変化して行くのでしょうか。

    シルベスタースタローンは、肉体の権化でサイボーグみたいです。老境に入っているはずですが、頑張っています。ただこの時期でミャンマーとか、厭戦気分の米国の戦意アップみたいな映画はいただけない。

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  6. オレンジネオさん、こんばんは。
    いいですねぇ、ハリソン・フォードの疲れて悩んでる役。
    3のショーンコネリーはいい味出してましたから、あんな感じにだんだんなっていくんでしょうか。続編はもう無理かもしれませんけど。

    戦争映画も嫌いではないですが、あまりみえみえなのは考えものですよね。
    それと役とは直接関係ないですが、シルベスタースタローン自身にあまり魅力を感じないです。肉体派だからじゃなくて、精神的な面でですが。

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