2007年5月27日日曜日

『ハンニバル ライジング』の映画と小説

82dd2ca1.jpg5月19日に、一人で『ハンニバル ライジング』を観てきました。投稿が遅くなった理由は、映画鑑賞後に、トマス・ハリスの小説を読み始めたからです。これが、結構ハマル。でも、平日はなかなか読む時間がなく、今日やっと読み終わりました。


まずは、映画の紹介から。元々、ハンニバル・レクター博士の大ファン(?)なので、私情がかなり入りますが、ご容赦を。

もう、サイコーです。ギャスパー・ウリエルが超クール!

あの、人間をはるかに凌駕する存在であるレクター博士の若かりし頃を、見事に演じきっています。

顔は名優アンソニー・ホプキンスとは全く違うのに、この違和感の無さは一体?

「こんなだったらいいのに」というファンの妄想を、体当たりの、しかも考え抜かれた洗練された演技で、表現してくれたからでしょうか。


もっと幼いハンニバルも登場します。妹ミーシャ想いの、まだあどけない6歳のハンニバルです。こんなかわいい男の子が、あんな怖い怪物に成長してしまうなんて..

まるで、『スターウォーズ』のアナキンを見ているようです。アナキンに至っては、青年期にダークサイドに陥り、幼いジェダイのタマゴたちをいとも簡単に惨殺してしまうという、ある意味、ハンニバルよりも恐ろしいヤツですが。


6歳のときに起こった出来事が元で、少年ハンニバルの中の暖かい人間としての心は死んでしまいます。言葉も喋れなくなるほどに。

普通の人間なら、ここ止まり。もちろん、悲劇ではありますが、自分の中の変化だけで済むのかもしれません。ハンニバルには、生来の怪物としての資質が備わっていたため、尋常でない「復讐劇」が幕を開けることになるのです。


映画は、映像も音楽も美しい。

特に、全篇を通じて流れる「こびとがひとり」という曲が物悲しい。妹ミーシャを象徴しているのでしょう。

映画/小説では歌詞つきですが、メロディーはこれ。

ドレミファソッ、ラファ、ミッレッド~


なんと、ヤマハ音楽教室のTVコマーシャルで、子供たちが明るく元気に歌っている曲。娘も昔、ヤマハの教室に通って、この曲を歌ってました。私にとっては、何だか懐かしい響きでもあり..


作品には、ハンニバルに多大な影響を及ぼす重要な要素として、日本文化が出てきます。ハンニバルの叔父の妻であるレディ・ムラサキ(コン・リー)という日本人女性によるものですが、この映画での日本の描かれ方がちょっと見当違い。ゲイシャ・フジヤマほどではありませんが、日本人には鼻につくかも。この辺りは、小説の表現がうまいだけに(完璧ではないですが)、惜しいところではあります。西欧人にとっては、東洋的な謎めいた日本の方が分かりやすいのでしょうけど。


映画と小説、両方楽しみたいなら、先に映画を観るのがオススメです。映画の脚本も原作と同じトマス・ハリスですが、映画のストーリーはかなりはしょっています。といっても、それはマイナスとなっているわけではなく、エッセンスだけを抜き出したと言った方がいいかも。まずは、これで映像美を心ゆくまで味わってください

とは言え、もう上映は終了したところが多いのでは。最初に、小説をじっくり堪能するというのも悪くないです。奥深いですからねぇ、トマス・ハリスの文章は。


小説では、天才ハンニバル・レクターの成長の過程が克明に描かれています。驚くべきことに、「記憶の宮殿」は、すでに幼児期に形成されていたという事実。ハンニバルがいかに度を越えた頭脳の持ち主かということが、これでもか、というくらいに幾度も語られます。この部分だけでも、ファンにはたまらんはず。

ハンニバルDVD今までのDVDは全部持っています。先日、娘がネットで調べ、初めて出かけた土浦駅そばの古本屋で、『ハンニバル SPECIAL BOX』を半額ほどの値段で買いました。高くて手が出せなかったので、見つけたときは大喜び。もう、飛びつきましたよっ。

『ハンニバル』の映画は、やはり一人で観に行きましたっけ。家族は皆、ホラー系嫌いなので。

ホラー友達ができるといいのだけど..


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トマス・ハリスの作品

2 件のコメント:

  1. レクター博士いいですよね♪
    最近一人でしか映画に行けなくなってしまったので、なかなか足が遠くなってしまいました_| ̄|○
    シリーズまとめてDVDコースかな・・・

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  2. ちえさん、こんばんは。
    レクター博士のファンとは、オミソレシマシタ。

    > 最近一人でしか映画に行けなくなってしまったので、
    何ゆえ?

    もし、お住まいが近くなら一緒に行けるのに、残念です~。

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